2月限定御朱印もあと2日。
本堂内では、名取流、篆刻、お雛様、朱印資料等各種展示を催し、待ち時間の間ご覧頂いております。
中でもお薦めが、本年初登場の「根来寺根来塗」のコーナー。
秀吉の根来攻めによって、各地に散らばった根来寺の職能集団。
中でも塗工の人々の卓越した技術は、その後各地に名産品となる漆器を生み出す礎となりました。
中世の技術を再興し、更に進化させた漆器が「根来寺根来塗」です。
刷毛目が美しく、使い込むほどに摺れ雅味が増していきます。
根来寺根来塗宗家 池ノ上曙山先生作「眞杯」
紀州藩初代藩主徳川頼宣公の位牌へ献杯する時の什器として使用しています。
近代漆器より更に丈夫な根来寺根来塗は、角の下地が剥離することなく、経年の摺れで下地の黒漆が顔を見せ、その風景に雅味が増します。
長持ちするので、とても経済的な漆器とも言えます。
根来塗師 松江那津子先生作「恵運寺硯箱」
硯箱納品の様子 左から池ノ上曙山先生、松江那津子先生、住職
根来塗曙山会提供画像 「根来 豆子」(室町期)
このような中世の漆器は全国各地で見つかっています。
依頼を受けた根来寺の漆工たちが制作し、自分たちで納品に行ったのではないかという話があります。
「根来忍者」和歌山・紀州の忍者と聞いてその名を思い浮かべる方も多いと思います。
忍者そのものの定義がどのようであるのかは、先日設立された国際忍者学会で今後定められていくでしょうが、惣国一揆のような自治集団を指すのであれば、根来忍者もあながち間違いではないかもしれません。
そして、各地へ納品に行くのが表向きとするならば、赴いた土地で情報を仕入れた諜報活動が裏の仕事であったのかも・・・
忍者に思いを寄せる2月。忍者の日限定御朱印。あと2日。
紀州ネコ忍「ニャン十郎」も今年登場の新顔。